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[11/16] 地域流域政策論講義風景-鶴見川治水施設見学-

2012年11月20日(火)

 2012年11月16日(金)に、「地域流域政策論」の講義で、フィールドワーク鶴見川治水施設見学を行いました。

 今回のフィールドワークは、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所の協力のもと、本講義を受講している学生たちは横浜線小机にある、「多目的遊水地」、「鶴見川流域センター」、「越流堤」を見学しました。

 ます案内された場所は、日産スタジアムです。2002年にFIFAワールドカップが行われたことで有名な競技場ですが、大規模な増水時には多目的遊水地の一部として働く機能を持っています。
 日産スタジアムの全ての施設は約1100本の柱に支えられ人工基盤の上に建っているのが特徴で、普段は駐車場として使用されている地下空間が、豪雨などで増水した時に一時的に鶴見川の水を落とし込める設計になっており、有事の際には鶴見川の水位を1メートル下げることが可能になっているそうです。

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 ▲奥に見えるのが日産スタジアムです。鶴見川から水が入ると、写真に写っているほとんどが水に沈みます。右の写真は今回見学した日産スタジアムの地下です。2004年の洪水時の水が入った跡が残る場所で、隠れた名所になっているそうです。

 遊水地に貯め込める総貯水量は390万立方メートル。これは25メートルプール1万杯に匹敵する量です。
 遊水地は3段階の高低差に設計されており、鶴見川から水が流れ込んできた際は低い順から水が溜まっていく仕組みになっています。
 日産スタジアムが完成してから9年の間に遊水地には10回水が入り、その内の3回は段差の一番高い場所まで水が入ったことがあるそうです。

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 ▲左の写真は、遊水地に貯水できる最大水位を表したものです。今まで最高水位に達したことはないそうですが、平成16年の台風22号では右の写真の奥に写っている橋脚の半分以上まで水が溜まったそうです。

 次に案内さらた場所は、鶴見川流域センターです。
 到着すると屋上へ上がり、そこから越流堤を望みます。
 越流堤とは洪水防止の目的で一部を低く作ってある堤防のことを指します。越流堤の高さを超える程水位が上がった際には、越流堤から鶴見川の水を多目的遊水地に流し込める設計になっています。

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 ▲鶴見川流域センターと、屋上から見える越流堤の写真です。鶴見川が増水したときに右の写真の越流堤から遊水地に水が流れ込みます。

 また、流域センターの屋上には「Xバンドレーダー」と呼ばれる観測レーダーが設置されています。
 このXバンドレーダーは、ほぼリアルタイムで雨雲の動きを観測することができるレーダーです。
 Xバンドレーダーがあることによって、深刻な水災害を引き起こす原因となっている集中豪雨や局地的大雨の発生をいち早く感知し、対応することができるようになっています。

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 ▲Xバンドレーダーの写真です。このレーダーによって半径40キロメートルの雨雲の発生をほぼリアルタイムで観測することができます。

 越流堤の説明を受けると、実際に越流堤に入りに行きます。
 越流堤は一見してコンクリートで作られているように見えますが、中身は発泡スチロールを混ぜ込んだ土で出来ています。
 堤防の所々に穴が開いていて、そこが空気を抜く穴になっているので堤防が水に浮いてしまうことはないそうです。

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 ▲越流堤の様子です。左の写真の足もとに写っているエノコログサが生えている箇所が空気穴になっています。右の写真に写っている装置は、越流堤に水が入った時に、その水位を測るためのものです。

 鶴見川流域には日産スタジアムの他にも、降水時の水を貯め込める調節池が約4000基あり、それらを活用することによって300ミリの雨量に耐えることができるそうです。
 しかし、京浜河川事務所の方がおっしゃるには、流域の治水で一番重要なのはそうした施設だけでなく、天然の保水機能を持った緑地が大切だということす。
 緑地が都市開発によってコンクリートに覆われてしまうと、雨が降れば水がそのまま川に流れてしまい洪水が起こります。
 鶴見川流域では緑地を守ることで自然保水を図り、自然環境と都市との共存を目指しています。
 その数少ない成功例として、鶴見川の治水は諸外国からも注目されています。

 学生たちは普段は目にすることのない鶴見川の姿や、治水対策の技術などに多いな関心を寄せ、とても有意義なフィールドワークとなりました。

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